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さまざまな業種で倒産件数過去最多のニュースが飛び込んでくる昨今、資格を取得して独立しようと考える人は増える一方です。しかし、経営コンサルタントで士業(特定行政書士)でもある横須賀輝尚氏によれば「資格を取れば人生安泰」という神話は20世紀で終わり、「努力次第で成功できる」というのも正しくないといいます。氏の著書『資格起業家になる!成功する「超高収益ビジネスモデル」のつくり方』(日本実業出版社)から、正しい「資格起業法」について再構成してお届けします。

資格起業家になる!
横須賀てるひさ
日本実業出版社
2006-12-25


■資格業においても人脈は強いが……
ビジネスはひとりでは成立しませんので、資格起業家にも「人脈をつくること」は必要です。インターネットとパソコンがあれば、誰とも会わずにビジネスが成立する可能性もなくはありませんが、基本的に人の力を借りないビジネスというのは存在しません。

人脈をつくる必要性は、3つあります。

(1)直接その人脈から仕事をもらうため
(2)人脈から仕事を紹介してもらうため
(3)別の分野で協力してもらうため

これからのAI時代において、人脈はとても貴重です。人脈をつくることによって仕事の紹介が続けば、広告費もかけないですみ、非常に楽になります。

ですが、この3つのメリットは忘れてください。

「え? どうして忘れなければならないの?」と思ったかもしれません。これには理由があります。

自分の利益を先行させると、人脈は絶対にできないからです。

逆のことを考えてください。あなたのところへ知らない人が突然やってきて、「今度起業したので、法律手続きの仕事があったら、私にください」と言われたら? 「うっとうしいなあ」と思うのではないでしょうか。ですから「仕事が欲しい」「紹介して欲しい」といった、自分の利益だけを求める人脈のつくり方をしてはいけません。

■人脈づくりは「与えること」からはじまる
人脈をつくりたければ、まず与えること。これが重要です。名刺交換のタイミングで、絶対に売り込んではいけません。与えるものは何でもいいのです。与える行為をすることが重要なのです。

次の3つが相手に喜ばれるポイントです。

(1)相手のためになる情報を伝える
(2)相手の商品やサービスを購入する
(3)相手に誰か(お客さま)を紹介する

ちなみに、起業したばかりでお金がない場合には、「相手の仕事となる人(お客さま)を紹介する」ことが効果的です。

起業当時の私にはお金がなかったので、相手の商品やサービスを購入することができませんでした。そこで、「お金をかけずに相手のためにできることは何だろうか」と考えたわけです。

結果として思いついたのが、「相手のためになる情報を伝える」「相手にお客さまを紹介する」ということです。

なお、前者は、新聞記事や雑誌記事など、相手が知ったら喜びそうな情報をFAXやメールで伝えることです。特に資格業は、知識と情報を商品にしているわけですから、相手のためになる情報を伝えることで、関係性を強める効果があります。

人脈をつくることは、地味で根気のいる行動です。しかし、真剣に相手のためを思って行動することで、必ず本物の人脈になります。その場合には、何倍ものお金になって返ってくることでしょう。

資格業において「何かあったらぜひよろしくお願いします」というのは、「あまりうまくいってません」と公言しているのも同然です。売上を伸ばしている資格業は、決して自分からは売り込んだりしないものです。

インターネットからの集客やチラシ、DMによる集客も大事ですが、起業時は直接人に会うのが人脈をつくる一番の近道です。どんなにきれいなウェブサイトやDMをつくったとしても、会って話をするほうが説明はしやすいからです。

人が仕事を頼もうと考えたときに、どのようにして相手を探すかを考えてみればわかるはずです。

たとえば、あなたが社会保険の業務を社会保険労務士にお願いしたいと考えた場合、どんなことを考えるでしょうか?

まず、社会保険労務士が知り合いにいれば、その人に仕事を頼むはずです。知り合いにいなかった場合は、自分の人脈から探すでしょう。その中から社会保険労務士が見つかれば、間違いなくその人に問い合わせをするでしょう。

仕事は自分の知っている人、自分に近い人に頼むのが一般的です。インターネットからの集客は二の次です。

では、社会保険労務士の知り合いが複数いた場合はどうでしょうか。

その中から選ばれるのは、前述の「与える行動」が身についた人です。

5人の社会保険労務士の中で、誰かを選ぶ場合に、料金がいずれも大差ないとしたらどうでしょう。

きっと与える行動を一番してくれた人に、仕事を頼むはずです。

仕事を紹介してくれた、ビジネスパートナーを紹介してくれた、役に立つ情報を提供してくれたなど、行為の種類は問いません。こういった与える行動が重要になります。この積み重ねが人脈となり、何倍ものお金になって返ってくるようになるわけです。

まずは、こうした心構えを持ってください。会う人会う人から欲しがらない。お客さまになってもらおうと考えない。人脈をお金と考えない。これが大切です。

■古い人脈には頼らない
サラリーマン時代の人脈を効果的に使おうとしても、起業すると、その人脈はあまり役に立ちません。だからこそ、新しく人脈をつくる必要があるわけですが、なぜそれまでの人脈は役に立たなくなるのでしょうか。

それは、起業するとあなた自身の環境が変わってしまうからです。会社という看板があったから信用されたということはよくあります。起業するとその看板がなくなり、信用を得にくくなります。

特に資格業の場合、これまでの人脈が役に立たなくなります。なぜなら資格で起業することは、ほとんどの場合、「異業種での起業」だからです。

行政書士はその典型です。行政書士は、実務経験を積むことが独立開業の要件になっていません。ですから、サラリーマン時代の同僚、取引先からは、「頼りない起業」に見られてしまうのです。そのため、既存の人脈に頼ることは極めて難しいのです。

ちなみに起業すると、嫉妬されることが少なくありません。起業は、成功すれば世間的にカッコよく見えるので、素直に協力してくれる人が少ないのも事実です。そういった現実も知っておきましょう。

■別の資格業と連携する
ここからは、他の資格業との協力関係について考えてみましょう。他の資格業との連携は重要です。資格業の場合、ひとつの仕事を成し遂げるのに、ひとつの資格だけでは片づかない場合が多いからです。

例を挙げましょう。行政書士で、会社設立手続きを主な業務として扱っていたとします。お客さまから見れば、「行政書士に頼んでおけば、全部やってくれるだろう」と考えます。

しかし、行政書士ができるのは会社設立の書類をつくるのみ。登記関係は、司法書士にお願いしなければなりません。そして会社の設立後は、税金の手続きと毎月の税務に対応するために税理士の力を借りる必要があります。さらに、法人は社会保険に加入しなければならないので、社会保険労務士にもお願いすることになります。

このように、ひとつの資格で完結する仕事は意外と少ないのです。そのため、他の資格業との連携が極めて重要になるわけです。

ここでやってはいけないのが、「新たに資格を取ること」です。新たに資格を取るのは時間がかかります。どうしても他の資格業との連携がイヤだ、自分で資格を取りたいという場合には、儲かって他にすることがなくなってからにしてください。勉強の間に、ライバルのビジネスは一歩も二歩も先に進んでしまうことを知るべきです。

他の資格業との連携は、実は人脈の増加にもつながります。自分で資格を取って増やせる仕事に比べ、紹介で得られる仕事のほうが、はるかに時間も労力もかかりません。この方法は、大変有利だということを知っておいてください。


横須賀輝尚 パワーコンテンツジャパン株式会社 代表取締役 特定行政書士


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■プロフィール 横須賀輝尚 パワーコンテンツジャパン株式会社 代表取締役 特定行政書士
yokosuka
士業専門の経営コンサルタント。パワーコンテンツジャパン株式会社 代表取締役、特定行政書士。Gensparkインダストリーアンバサダー。
2007年に日本では初めてとなる士業向けに経営スクール「経営天才塾(現LEGALBACKS)」を創設し、2023年現在、全国3000名以上の士業から相談を受け、その相談数は優に2万件以上を超える。
主な著作に「会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業」(さくら舎)、「資格起業BIBLE」(技術評論社)などがあり、25冊20万部超の著者。2023年から士業のための生成AI・ChatGPT活用研究を開始。
最新刊「『ムダ仕事』も『悩む時間』もゼロにする GPTsライフハック」を2024年11月に技術評論社より刊行。週刊ダイヤモンド、毎日新聞などメディア掲載も多数。

公式サイト:https://yokosukateruhisa.com/
X:https://twitter.com/yokosuka_ai  @yokosuka_ai
YouTube:https://www.youtube.com/@40lawyers50/

資格起業家になる!
横須賀てるひさ
日本実業出版社
2006-12-25


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