![]() ■自分に合った営業方法を見つける方法 実は起業において重要なのは、「仕事ができる」ことではなく「仕事を獲る」こと。つまり、お客さまをつかむことです。そのためには、「営業」にもどんな要素があるのか知っておく必要があります。 書店に行くと、「営業」や「マーケティング」に関する書籍がたくさん並んでいます。たとえば、インターネットで集客する技術や営業トークのテクニックについて書かれた経営書やビジネス書です。 特にインターネット関係は進化が早く、「メルマガで儲かる!」と言われた1年後には「ブログで儲かる!」に変わり、その次には「SNSがいい」「WEB2.0だ」「生成AIだ」というように、営業の方法やマーケティングの手法はどんどん変わってきています。 すると、「そうか、今は生成AIなのか」と安直に飛びついてしまう人が多いわけです。そして、それに取り組めば成功できると思い込んでしまうのです。もちろん、最先端の情報を押さえておくことも必要ですが、営業には本来たくさんの方法がありますから、その中から最適な方法を選んでいくことが重要なのです。 営業の要素を知ることは、営業方法を知ることからはじまります。「メルマガで儲かる!」と聞いたからといって、それだけやれば儲かるわけではありません。メルマガは、営業の要素の中の「インターネット」という手段の中のほんのひとつなのです。 ですから、どういった営業方法があるかをまず把握してください。そのうえで実践をしていかないと、「儲かる方法をやっているにもかかわらず、成果が出ない」ことになりかねません。 私もすべての営業方法をやってみました。その中で自分に合った営業方法を見つけたのです。それが「ブログ」でした。 起業して1年後の当時、ブログが非常にブームになっており、「ブログを活用することでビジネスが変わる」といった話題にあふれていました。偶然知ったブログですが、せっかく立ち上げたのにまったくアクセスのなかったウェブサイトに比べ、圧倒的にアクセスを集められることに気がつき、ブログでの営業活動を展開しました。そしてこれが見事にはまったのです。 私の場合、ブログというインターネット上の日記を更新することで、読者を集めました。当時、ブログそのものがとても反応のよいツールであったこともあり、自分自身のことを毎日ブログに書き込んでいくことでファンを集め、そのブログ読者から仕事の依頼があったり、紹介をいただいたりしました。 そしてブログを使った営業やネットマーケティングにより磨きをかけるために、ブログやネットマーケティング関係のセミナーに参加し、結果として自然と人脈が広がり、仕事も増えていきました。 直接人と会う営業と、ブログを使った営業の相乗効果が実を結びました。結局、この2つに絞った営業方法を繰り返していったのです。 営業方法の最適な選択方法とは何か?それは、できる限りすべての営業方法を試し、うまくいった方法を繰り返す、たったこれだけなのです。自分に合った営業方法を選択することが、最大の結果を出せる方法なのです。 この「ブログ営業術」が自分に合った営業方法だとわかった私は、ブログを1日3回以上更新し続けるとともに、年間1,000人以上の人と名刺交換をすることを1年間実践しました。 その結果どうなったか。当時まだビジネスモデルについては考えていなかったため、売上の額はさほど大きくありませんでしたが、1年目の月15万円の約6倍にまで増加しました。 ■専門を入口に商品は出口に 「売る」ことに長けるための要素として、次に重要なのが「商品」です。言い換えれば、「何を売るか」という話です。資格業の場合、知識や情報が商品であり、手続きなどの業務がサービスになるでしょう。 一般的には、なるべく「人が扱わない商品」を販売するのが理想とされています。競合他社が少ないからです。しかし資格業では、資格業の仕事そのものを差別化することは非常に難しく、「人が扱わない商品」に仕立てるのは困難です。 資格起業家としての戦略は、資格業の仕事を特別に差別化しなくても大丈夫ですが、それでも「専門(性)の打ち出し」は最低限やっておかなければなりません。 「専門を絞ると、そのほかの仕事がこなくなってしまいませんか?」 名刺交換などの際、「会社設立専門の行政書士」と名乗ってしまうと、「もしかしてこの人(名刺交換の相手)が相続の問題を抱えていたりしたら、業務獲得の機会損失になるのではないか」といった不安があります。 実際に私も、専門を絞る前は不安がありました。そこで私は「専門性を打ち出しながら、その他の仕事を獲得する方法はないだろうか?」と考えました。 その方法が、「入り口をひとつにして、出口を増やす」ことです。名刺などには「○○専門」と書き、それを差し出しながら「実はこんなことも仕事にしているんです」と口頭で伝えるだけです。しかし、効果は抜群です。 「横須賀さん、あなたの事務所は会社設立専門と言ってますが、そういえば契約書もつくることができましたよね?」 というように、別の仕事も必ず舞い込んでくるようになります。 このように、出口をたくさんつくっておけば、タイミングを逃すことは減るでしょう。 ■人は「地域」に過剰反応する 意外と軽視されがちですが、どこで商品を売るかという問題も見逃せません。 もともと資格業の仕事は、自分に近い人に頼む傾向があります。なぜなら、役所ごとに管轄があり、地域ごとで手続きが必要だからです。 インターネットで集客する方法は、資格業と極めて相性がいいかといえば、そうとは限りません。扱う仕事の内容にもよりますが、インターネットで100アクセス集めるよりも、地元の100人に会うほうが効果的な場合もあります。それは、営業方法と合わせて考えることです。 守っていただきたいのは、「アナログ営業なら地域密着、インターネットなら全国展開」という鉄則です。 アナログで人に会うような営業を展開する場合は、ある程度地域を絞るべきです。仮に仕事が獲れるからといって、多数の県にまたがるような営業をしてしまうと、効率が落ちます。なぜなら、あちこちから仕事を依頼されると、移動時間が増えるからです。移動の時間はムダです。アナログな展開を考えているのであれば、「地域で一番」を目指すほうが賢明です。 インターネットを使う場合は、全国に売れるものをつくって勝負すべきです。ウェブサイトの閲覧者は、近隣にいないことがほとんどですから、「興味があるお客さま」のアクセスを集めたとしても、すでに取り逃してしまっている可能性があります。 また、地域については面白い属性の話があります。「人は地域に過剰反応する」のです。 具体的にはこういうことです。 「私は埼玉県行田市の生まれです。埼玉県の東松山市にある高校に通いました。その後は、専修大学に入学し、神奈川県の川崎市に住むようになりました。校舎が生田校舎から東京の神田校舎に変わってからは、中央線の通る武蔵野市に住居を移し、現在は東京都調布市に住んでいます」 どうですか? 「行田」「埼玉」「川崎」「武蔵野」「調布」という地名に反応した人がいるはずです。これらの地域に関連のある人は、私に親しみを感じませんか? 「行田」というキーワードを出すと、行田市に関係する人が反応するのは当然のこととして、行田市の隣接市町村に関連する人まで反応するのです。こうした地域が増えれば増えるほど、あなたに興味を持つ人が増え、ビジネス上有利になると思いませんか?地域への帰属性は、非常に強いものがあります。同じ地域に属していた場合は、ウェブサイトやブログを使って伝えるだけで、仕事を頼みやすくなります。 起業を成功させたければ、「自分に合った営業」「商品」「地域」という3つの要素を戦略的に考える必要があり、これは資格を取って開業する場合でも変わらないということですね。 横須賀輝尚 パワーコンテンツジャパン株式会社 代表取締役 特定行政書士 【関連記事】 ■資格を取って独立するなら、実務より優先して勉強すべき超大事なこと (横須賀輝尚 経営コンサルタント) https://sharescafe.net/62925478-20260112.html ■カネが無いなら「客」を与えよう――資格業駆け出し時に本物の人脈を作る方法(横須賀輝尚 経営コンサルタント) https://sharescafe.net/62895387-20251230.html ■競合との比較に悩みやすい士業は「自分を棚に上げる」のが大事、という話 (横須賀輝尚 経営コンサルタント) https://sharescafe.net/62878838-20251224.html ■110万円の家賃を払う板野友美さんとヤクルト高橋奎二さんの判断が正しい理由。(中嶋よしふみ ファイナンシャルプランナー) https://sharescafe.net/62674731-20250930.html ■世帯年収1560万円の共働き夫婦は、9540万円の湾岸タワーマンションを買えるのか? その1・生活費は800万?(中嶋よしふみ ファイナンシャルプランナー) https://sharescafe.net/61186482-20240125.html ■プロフィール 横須賀輝尚 パワーコンテンツジャパン株式会社 代表取締役 特定行政書士 ![]() 2007年に日本では初めてとなる士業向けに経営スクール「経営天才塾(現LEGALBACKS)」を創設し、2023年現在、全国3000名以上の士業から相談を受け、その相談数は優に2万件以上を超える。 主な著作に「会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業」(さくら舎)、「資格起業BIBLE」(技術評論社)などがあり、25冊20万部超の著者。2023年から士業のための生成AI・ChatGPT活用研究を開始。 最新刊「『ムダ仕事』も『悩む時間』もゼロにする GPTsライフハック」を2024年11月に技術評論社より刊行。週刊ダイヤモンド、毎日新聞などメディア掲載も多数。 公式サイト:https://yokosukateruhisa.com/ X:https://twitter.com/yokosuka_ai @yokosuka_ai YouTube:https://www.youtube.com/@40lawyers50/ シェアーズカフェ・オンラインからのお知らせ ■シェアーズカフェ・オンラインは2014年から国内最大のポータルサイト・Yahoo!ニュースに掲載記事を配信しています ■シェアーズカフェ・オンラインは士業・専門家の書き手を募集しています。 ■シェアーズカフェ・オンラインは士業・専門家向けに執筆指導を行っています。 ■シェアーズカフェ・オンラインを運営するシェアーズカフェは住宅・保険・投資・家計管理・年金など、個人向けの相談・レッスンを提供しています。編集長で「保険を売らないFP」の中嶋が対応します。 |



