![]() 記憶力は思考力や表現力を含む、テストで点数を取る能力を指し、持続力は根性や集中力など、勉強を続ける力と定義しています。これらに親の教育への投資、すなわち「課金力」という外的要素が加わるというのが、蓮池氏の持論です。 この公式を理解した上で、親は子どもの教育に漫然とお金をかけるのではなく、課金力をどこで発揮するかを戦略的に考える必要があるといいます。 この記事では、子どもの記憶力と持続力の高低を見極めたうえで、タイプごとにどこに課金力を発揮するべきかについて、著書『塾講師が言わない子どもを苦しめない受験戦略』(蓮池林太郎・セルバ出版)から再編集してお届けします。 ■どこで課金するか見極める *課金は必殺の一撃 一般受験力=記憶力×持続力+課金力 この公式を念頭において、課金力をどこで発揮するかについて考えてみたいと思います。 まずは子どもの能力を正確に把握することが先決です。子どもの記憶力や持続力がどの程度のものなのか、成績表や定期テスト、模擬試験といった客観的なデータから評価します。 とはいえ子どもは成長を続けていきますから、一度や二度の計測で把握しきれるものではありません。定期的に確認する必要があります。 そして、コスパ・タイパ・リスパ(リスクパフォーマンス、起こり得るリスクに見合うだけの価値が期待できるかどうか)という3つのパフォーマンス指標です。 住んでいる地域や経済状況、子どもの性格や適性なども加味して、3指標を総合的に見て高パフォーマンスを発揮できる教育方針と受験戦略を練っていきます。 この手順を正しく踏むことで、必殺の一撃ともいえる課金力発揮の場を見極めることができます。 正しく踏めないと、課金のタイミングを分散させてしまい、子どもの一般受験力アップに効率よく作用せず、必要以上の費用をかけてしまうことになります。たとえば中学受験でさっそく莫大な費用をかけ、さらに大学受験でも想定以上に塾代を支払うことになるなど、コスパの低い受験を経験することになります。 また子どもにとっても、中学受験で一生懸命勉強したのに、大学受験でもたくさん塾に通うことになるなど、勉強漬けにしてしまうタイパの低い若年期を強制させることになってしまいます。 あるいは、合わない学校に入ったことで不登校になったり退学を余儀なくされたりなど、リスパの低い選択をすることにもなるわけです。 ■能力別受験戦略の基本 あくまで傾向になりますが、具体的なタイプごとの例を見ていきましょう。 子どもが小学生時から記憶力と持続力がともに高いのであれば、一般受験に強いタイプです。そもそも記憶力も持続力も高い子どもというのは、どういったルートを辿ってもコスパは高くなる傾向にあります。公立中学校から高校受験を経て、一般受験で上位の大学へ進学できる可能性は高いことでしょう。非常に勉強が得意なら、中学受験を経て私立中学への進学も選択肢になるでしょう。 記憶力が高く持続力が低い子どもも、一般受験に向いているといえます。将来的にもっとも学力の「伸び率」が高いのがこのタイプです。年齢とともに自制心や目的意識が強まり、持続力が高くなる期待が持てるからです。持続力の成長を見守りながら、公立中学校からの高校受験ルートがよいでしょう。 記憶力が低く持続力が高いのであれば、指定校推薦や公募推薦といった、一般受験以外での受験が向いているタイプです。中高の定期テストや小テストは出題範囲が狭いため、記憶力が低くても繰り返し勉強することにより高得点を獲得できます。学校から高い評価を得られるので、推薦を活用した進学が向いているのです。 したがって、公立中学校から高校へ推薦入学、そして高校から大学へも指定校推薦で進学することが理想です。ただし一般受験対策の塾ではなく、学校の勉強をフォローしてくれる定期試験対策に強い塾を選ぶことがベターです。 最後に、記憶力も持続力も低いというタイプ。一般受験では力を発揮できない、「勉強ができない」カテゴリーに入る子どもです。一般受験力が絶対的に低いので、消去法で大学進学では総合型選抜を目指すという選択肢が残ります。 中高時代は学校の勉強をフォローしてくれる定期試験対策に強い塾に通うことになります。狙い通りに指定校推薦で進学できるならよいのですが、日々の定期試験で高い水準を狙うことが厳しく、成績表も芳しくないということであれば、指定校推薦や公募推薦での大学進学は難しくなります。 確実に合格できる保証はないですが、総合型選抜で大学進学を目指します。公立中学校を経て、自分のレベルに合った高校へ進学します。高校選びのポイントとして、学校推薦型選抜、総合型選抜の対策に力を入れているところに絞っておくとよいでしょう。総合型選抜なら勉強面だけでなく、学校活動や特技、個性も重要な評価対象です。 高校3年生の春くらいから総合型選抜の準備をする子どもが多いようですが、総合型選抜に絞るなら、活動実績が必要になるため余裕を持って高校2年生の夏くらいから総合型選抜の塾に課金するのもひとつの手です。志望大学や学部選びから、志望理由書、自己PRなど出願書類の添削、小論文対策、面接練習、プレゼンテーション指導まで、総合型選抜に必要な対策を包括的にサポートしてくれます。 蓮池 林太郎 医師・作家・新宿駅前クリニック院長 【関連記事】 ■早期化する中学受験対策が低パフォーマンスと言える理由 (蓮池林太郎 医師) https://sharescafe.net/62987396-20260205.html ■無計画な浪人に潜む無数のリスク (蓮池林太郎 医師) https://sharescafe.net/62987372-20260205.html ■大卒より工業高校卒の方が安定して働ける?ホワイトカラーが滅びる時代の教育観 (蓮池林太郎 医師) https://sharescafe.net/62975660-20260201.html ■110万円の家賃を払う板野友美さんとヤクルト高橋奎二さんの判断が正しい理由。(中嶋よしふみ ファイナンシャルプランナー) https://sharescafe.net/62674731-20250930.html ■世帯年収1560万円の共働き夫婦は、9540万円の湾岸タワーマンションを買えるのか? その1・生活費は年間800万? (中嶋よしふみ ファイナンシャルプランナー) https://sharescafe.net/61186482-20240125.html ■プロフィール 蓮池 林太郎 医師・作家・新宿駅前クリニック院長 1981年生まれ、帝京大学医学部卒業。病院勤務を経て、2009年新宿駅前クリニックを開設。医療法人社団SEC理事長、新宿駅前クリニック院長。 医者としてのキャリアとインターネット分野の知識を掛け合わせ、ホームページ、ウェブメディア、書籍などを通じて、クリニック開業、病院選び、生き方、婚活など独自の視点から情報発信を行っている。これまで10冊ほどの書籍を出版。 2017年からはクリニック開業コンサルティングも提供を開始、100人以上の医師からの相談実績がある。 子どもが5人おり、教育についても独自に情報収集を行い、コスパ・タイパに優れた受験戦略を研究している。 シェアーズカフェ・オンラインからのお知らせ ■シェアーズカフェ・オンラインは2014年から国内最大のポータルサイト・Yahoo!ニュースに掲載記事を配信しています ■シェアーズカフェ・オンラインは士業・専門家の書き手を募集しています。 ■シェアーズカフェ・オンラインは士業・専門家向けに執筆指導を行っています。 ■シェアーズカフェ・オンラインを運営するシェアーズカフェは住宅・保険・投資・家計管理・年金など、個人向けの相談・レッスンを提供しています。編集長で「保険を売らないFP」の中嶋が対応します。 |


