![]() 子どもは物語の主人公、親は前に出て戦うのではなく回復や案内を担うサポーター。失敗は責めるものではなく「経験値」であり、つまずきは次の攻略のヒントになる――こうした「RPG思考的子育て」の前提に立つことで、親の焦りは余裕へ、子どもの挑戦は自信へ変わっていったそうです。森さんの息子さんは2人とも偏差値が30台から70に上がり、国公立大医学部の合格を果たしました。 この記事では、なぜRPGの要素が子育てに効くかについて、著書『ビリから逆転できるRPG(ロール・プレイング・ゲーム)思考的子育て術 偏差値30台から70の医学部への合格の書』(ぱる出版)から再編集してお届けします。 ■すぐに結果が見えて、達成感が味わえる 「できた!」「やった、クリアできた」「レベルが上がった〜」と、ゲームをしていると思わず漏れる歓喜の声からも「達成の歓び」を子どもたちはプレイ中に何度も感じていることがわかります。わずか10分でも目に見える結果を得られることが、ゲームの魅力の1つです。 人は「達成感」を求めて行動します。大人でも、仕事で結果が見えないとやる気がなくなることってありますよね。子どもならなおさらです。たとえば、学校の場合、宿題のノートを提出したら返却されるのは、その日の終わりです。特に、子どもがめちゃくちゃがんばった場合は、ちゃんと先生見てくれるかな、花丸かな、よくできましたって書いてくれるかなって心待ちにしています。 しかし、ノートが返ってくるのはその日の終わりなのに、テストだと答案が返却されるのは数日後です。結果が出る頃に、自分の努力を忘れてしまっている「報酬が遅れてくる仕組み」では、子どものやる気が続きにくいのです。 ゲームは「即フィードバックの達人」です。敵を倒すとその場で経験値が入り、コインやアイテム、新しいスキルがもらえたりします。レベルアップすると「キラーン!」と音が鳴り、画面が光って、盛り上げてくれます。この「自分の行動がすぐに報われる」という感覚があるからこそ、子どもはもっとがんばりたくなります。 それを学習に応用するには、すぐに結果が見えることに重点を置いてください。「終わった!」「できた!」という手応えを、目で見て、耳で聞いて、体で感じられるように演出してあげる。それだけで、子どもはびっくりするほど前向きになります。 また、人は、達成したという体験を積み重ねることで、「自分はできる」という感覚を育てていきます。それがやがて、「もっとやりたい」という意欲につながっていきます。 さらに、ゲームでは、ただ結果が表示されるだけじゃなく「演出」が絶妙です。ピカーン!と音が鳴る、キャラクターがジャンプして喜ぶ、BGMが変わる、などの演出で、子どもの脳は「うれしい!」という感情と結果を強く結びつけて覚えます。 だから勉強でも、「達成できた!」と思った瞬間に、「ハイタッチする」「拍手する」「やったね!」と声に出して喜ぶなど、ミニ演出があるだけで、子どもの心は「勉強って楽しいかも」という印象に変わっていきます。 勉強が続かないのは、子どもが「自分が成長している感覚」を持てていないからです。ゲームのように、すぐに結果が返ってきて達成感が味わえる仕組みを組み込めば、子どもは自分の力を信じられるようになります。 そして、気づいたときには「勉強=苦痛」だったものが、「勉強=レベルアップの冒険」に変わっています。親は、小さな成功の演出家です。ゲームが教えてくれるこの視点を、ぜひ家庭の中でも活かしていってほしいです。 ■失敗が恥ずかしくない「やり直し」 子どもは間違えたとき、どんなことを感じているのでしょうか? それは、単なる「できなかった」事実だけでなく、「恥ずかしい」「怒られるかも」「自分はダメだ」と、心の中に自己否定の波が押し寄せていることが多いです。 本来、勉強は、できるようになるためのプロセスなのに、失敗すると「評価されない」「認められない」「愛されない」と、多くの子どもが感じてしまいます。では、ゲームの中ではどうでしょうか? 子どもは、恥ずかしくなったり、あきらめることなく、楽しんで何度でも、挑戦します。この「やり直しが前提の世界観」が、実は子育てや勉強にも必要です。 RPGの世界では、初めて現れた強い敵にやられることなんて、当たり前です。それで落ち込むどころか「次は勝つぞ!」と、むしろ子どもは燃えます。なぜなら、ゲームの中では「失敗=成長フラグ」だからです。戦いに負けたら、勝つための情報を得られます。その情報で、「この攻撃パターンのかわし方はこうかな」など、分析ができるのです。つまり、負けることで「戦略」を立てて、再挑戦し、乗り越えるからこそ、勝利の達成感が倍増します。 一方、学校では、テストや課題で「正解」ばかりが求められます。そして、「間違えること=悪いこと」、という空気は、子どもの学ぶ心を萎ませてしまいます。だからこそ、家庭では「間違えてもいい」「やり直せばいい」という空気を、親が意識的に作ることが大切です。 「失敗=価値あること」という意味づけに変えることができれば、子どもは自分を責めることなく、前に進む力を身につけることができるのです。失敗を「恥ずかしい」と思うか、「次に活かせる」と思うかの違いは、親が子どもにどんな世界を見せているかで決まります。RPGのように、やり直せる世界を信じて、「また挑戦していいんだよ」と、親が何度も伝える。それが子どもの「最強の回復魔法」となり、再び立ち上がることができるのです。 森知香 メンタルトレーナー・講演家・YICTフォレスト合同会社代表 【関連記事】 ■「勉強しないでゲームばかり」と思うなかれ。RPGに学ぶ、子どものやる気を引き出すコツ (森知香 メンタルトレーナー) https://sharescafe.net/63129404-20260408.html ■「デモに行くと就職できない」は本当か?──判例・厚労省指針・炎上リスクから考える(李怜香 社会保険労務士) https://sharescafe.net/63116042-20260406.html ■UUUMの二の舞?VTuber事務所にみる“人で稼ぐ”モデルの崩壊リスク(濵口誠一 中小企業診断士) https://sharescafe.net/62472607-20250705.html ■110万円の家賃を払う板野友美さんとヤクルト高橋奎二さんの判断が正しい理由。(中嶋よしふみ ファイナンシャルプランナー) https://sharescafe.net/62674731-20250930.html ■世帯年収1560万円の共働き夫婦は、9540万円の湾岸タワーマンションを買えるのか? その1・生活費は年間800万? (中嶋よしふみ ファイナンシャルプランナー) https://sharescafe.net/61186482-20240125.html ■プロフィール 森知香 メンタルトレーナー・講演家・YICTフォレスト合同会社代表 ![]() Instagram https://www.instagram.com/morichika_1223 @morichika_1223 公式サイト https://morichika.jimdosite.com/ シェアーズカフェ・オンラインからのお知らせ ■シェアーズカフェ・オンラインは2014年から国内最大のポータルサイト・Yahoo!ニュースに掲載記事を配信しています ■シェアーズカフェ・オンラインは士業・専門家の書き手を募集しています。 ■シェアーズカフェ・オンラインは士業・専門家向けに執筆指導を行っています。 ■シェアーズカフェ・オンラインを運営するシェアーズカフェは住宅・保険・投資・家計管理・年金など、個人向けの相談・レッスンを提供しています。編集長で「保険を売らないFP」の中嶋が対応します。 |



