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「子育ては、親も子もプレイヤーとして一緒に冒険するRPG(ロールプレイング・ゲーム)そのもの」と話すのは、メンタルトレーナーの森知香さん。かつて「勉強こそが愛」と信じ、わが子を塾と宿題で追い立ててしまったという彼女は、「正しさの押しつけ」が子を苦しめていたことに気づきます。

子どもは物語の主人公、親は前に出て戦うのではなく回復や案内を担うサポーター。失敗は責めるものではなく「経験値」であり、つまずきは次の攻略のヒントになる――こうした「RPG思考的子育て」の前提に立つことで、親の焦りは余裕へ、子どもの挑戦は自信へ変わっていったそうです。森さんの息子さんは2人とも偏差値が30台から70に上がり、国公立大医学部の合格を果たしました。

この記事では、子育てを「推し活」になぞらえる考え方について、著書『ビリから逆転できるRPG(ロール・プレイング・ゲーム)思考的子育て術 偏差値30台から70の医学部への合格の書』(ぱる出版)から再編集してお届けします。



■主人公を推して、推して、推しまくる〜全肯定で才能を花開かせる応援力〜
あなたの「推し」は誰ですか?一般的に「推し」とは、アイドル、俳優、キャラクター、スポーツ選手など、自分が特に応援したり愛情を注いで、見るだけで元気をもらえたり、日常の励みや癒しになる大切な存在と位置づけられています。

「推し」を持つ人の熱量には、圧倒されます。舞台の上で歌っていても、うまくいかなくても、泣いていても、笑っていても、「全部含めて尊い」「存在が奇跡」「何をしてても好き」と、心の底から応援しています。では「推し」に対する全肯定を、子どもにしたらどうなるか? 子どもの人生は、爆上がりすること間違いありません。

知ってますか? あなたの家には、挑戦し続けているヒーローや、どんなときもへこたれないヒロインがいます。それは、あなたの子どもです。

何気なく描いた絵やぶつぶつ言いながらも終わらせた宿題、朝の「いってきます」と言えた声、全部推しポイントです。子どもがあなたの人生の「推し」になった瞬間に、家庭はステージになります。

「推し」ってどう言うことかと言うと、何かができるからではない、何かを持っているからでもない、存在そのものが尊いと思う無条件の存在承認です。子どもを推すということは、あなたがいるだけで幸せ、生まれてきてくれてありがとうのまなざしとエネルギーを毎日子どもに注ぐことです。それは、子どもにとって、想像もできないような大きなエネルギーになります。

■推し育ての3ステップ
では、子どもを推すときの具体的な3つのステップを紹介します。

1.見つける(どんな小さなことでも「すごい」を日常から拾い上げる)
字を丁寧に書けた、兄弟にちょっと譲れた、など、何気ない行動の中に、小さな主人公の輝きは必ずあります。大げさなくらいに拾ってあげてください。親が言葉にした分だけ、自己肯定感は子どものHPとして積み上がります。

2.言う(「見てるよ」「信じてるよ」を声にする)
推し活の基本は言葉の発信です。「今日もかっこいいね」「その笑顔が世界を救うね」「お母さんは、あなたのファン1号」。照れながらでもいいし、笑いながらでもいい。でも必ず、声に出して伝えてください。子どもは、目の前の誰かに「見られてる」「応援されてる」と感じたときに心と体が動き出します。

3.盛る(「推し活テンション」で盛り上げる)
ただほめるのではなく、言葉も感情も1.5〜2倍に盛るんです。盛りすぎ?くらいがちょうどいい。「これ、もう天才じゃない?」「カメラ回しといたほうがいい?」バカっぽく聞こえるかもしれないけど、子どもは愛情で生きる生きものです。本気で推されている(応援されている)と感じたとき、子どもの中の「がんばりたい!」が湧き上がります。

そうやって推されて育った子どもは、「自分を見てくれる人がいる」「信じてくれる人がいる」「どんな自分でも好きと言ってくれる人がいる」と、世界や人を信じられるようになります。この感覚が、子どもの根っこに生きていていいんだという確信を植えつけてくれます。

だからこそ、子どもを推して、推して、推しまくってください。他人にどう見られるかより、家でどれだけ推されているかのほうが、何倍も大切です。

だから今日から、お母さんの役目はただ1つ、全力で、うちの子を「推す」。アイドルの追っかけや、イベントでペンライトを振るみたいに、握手会で号泣するファンみたいに、「私の子、ほんまに最高、尊すぎる」「世界中に自慢したいレベル」って自信を持って自慢してください。

そんな「親バカ力」こそが、子どもの人生を支える「最大のメンタル装備」になるんです。今日も、あなたの「推し」は、静かに冒険しています。さぁ、あなたの全力で、推して、推して、推しまくって!

■「推し活」のように成長を見守る習慣〜子どもは「育てる存在」じゃなく、「応援したくなる推し」〜
「推し」についてはお伝えしましたが、ここでは、ここ数年、よく耳にする「推し活」に焦点を当てていきます。

「推し活」とは「推し」の魅力に心を動かされ、全力で存在を応援する活動のことです。そんな「推し活」に夢中になる人たちの姿を見て、「これ、子育てと、そっくりだよね」と、気づいたのは数年前ですが、私がしてきたことは、「推し活」と同じでした。

長男が中学受験に失敗し、やる気を失っていた時期、私は、励ましたい、再起させたい、でも本人は心を閉ざしていて、どうしたらいいかわからない状態でした。

中学校で、唯一やる気を見せていたのが、野球部の練習でした。それをヒントに、私は、スポーツ観戦で応援するように「見守るスタンス」に変えてみたんです。そうすると、次の日も練習に必要だからとユニフォームを汚して帰っても、そそくさと自分で洗う長男がいました(自分で、と言っても、もちろん洗濯機です)。そこを私が手伝ってあげたくなるのを、「今日も部活の練習、がんばったんだね」と一言だけ声をかけながら、あえて見守りました。

同じように勉強も、本人のペースでやり始めることを見守りました。「お、さりげなく机に向かったな〜」など、そんな「日常の中の小さな変化」を、まるで「ライブステージの鑑賞」のように心の中で受け取り、静かに、でも心の中では全力で拍手をします。このスタンスが、私自身の心をとても穏やかにしてくれました。そうすると、息子の表情も少しずつ変わっていったんです。

子どもは、こちらが「監視している目」にはめっちゃ敏感だけど、「応援している目」にはすごく素直に反応します。そして、親が「すごい!」「よくがんばってるね」と心から感じているときは、それが言葉に出なくても、不思議と伝わるものなんです。

RPGで言えば、プレイヤーは子ども自身で、親はフィールドの外で見守るファンのような存在です。新しいスキルを覚えたら「おおっ、来たな!」、モンスター(苦手教科)に勝ったら「うわ、泣ける〜」、セーブポイントに戻ってきたら「おかえり、おつかれさま」と全肯定のまなざしが、子どもにとっては何よりのパワーアップアイテムになるのです。

そして、「推し活」のすごいところは、推しの未完成さを楽しめることです。完璧だから好きなのではなく、不器用でも、迷っていても、「その人らしくがんばっている姿」に心を動かされます。これは、子育てにも置き換えられます。計算が遅い、集中力が弱い、言い訳ばかり言う、こんな一見欠点のように見えることでも、「この子なりのペースで、歩いてる」と捉えられたとき、子育ては「しんどいもの」から「感動の連続」に変わっていきます。


森知香 メンタルトレーナー・講演家・YICTフォレスト合同会社代表


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■プロフィール 森知香 メンタルトレーナー・講演家・YICTフォレスト合同会社代表
mori
教師だった母の影響で、高校時代から理想の子育ての研究を始める。学生時代から結婚まで家庭教師と大手進学塾で小中高校生約2,000の学習指導を行う。出産後は、約1,000組の親子の悩み相談を解決する。自身の知識と経験をもって我が子に英才教育を施すも、中学受験で全校不合格。親子ともども燃え尽き症候群に陥る。唯一やる気のあったゲームから「RPG思考的子育て術」を思いつく。息子二人の偏差値を30台から70に上げ国公立大医学部の合格に導く。現在は自身の経験を活かして「子どもの可能性を引き出す子育て」をテーマに、講座やコーチングや講演を行う。キラキラ女性講演会2025グランプリ受賞。

Instagram https://www.instagram.com/morichika_1223 @morichika_1223
公式サイト https://morichika.jimdosite.com/




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