![]() ■資格業はもっと稼いでいい 資格はとても不思議なものです。起業するための手段は資格だけではないにもかかわらず、最初は資格を取ることが目的となり、資格を取ればすべてがうまくいくと思ってしまいます。そして、資格を取ると資格に依存してしまい、資格の本質が見抜けずに、資格業で起業しても稼げない状況が続き、最悪の場合は廃業してしまうのです。 資格の取得を考えたとき、ひとつは資格の仕事内容に注目が集まります。たとえば、会計やマネーに興味があれば、税理士や公認会計士、FPなどの資格を取るでしょう。 また、資格業が注目されるポイントとして、「収入」が挙げられます。これはどの資格がどのくらい平均して稼いでいるのかを示す指標です。年収1,000万円以上稼ぎたいから、弁護士になりたい……おそらく、この資格で起業すればこのくらいは稼げるようになるだろうという目算です。 ところが、現実はそんなに甘くありません。資格を取得し、理想の仕事をはじめたものの、その理想に収入が追いついてこないのです。 過去、資格を取れば「手に職」で、そのまま資格で食べていくことが可能でした。ところが、「最近は資格業も営業をしなければいけないらしい」「資格によって稼げるものと稼げないものもあるらしい」、そういったことが言われるようになりました。 結果、資格がランキングされ、取っても意味がない、役立たずの資格だと言われてしまっているものもあるのです。もちろん、試験の難易度の違いがありますから、すべての資格が必ずしも対等であるとは限らないのですが、すべての資格の差は性質であって、優劣ではないはずです。 せっかく資格を取ったのですから、自分のビジネスとしてぜひ生かして欲しい、私は本当にそう思います。 「俺は稼げない資格を取ってしまったんだ……」 「私の取った資格は使えない資格だって誹謗中傷されている……」 いくつかの資格業が稼げないのも、こういった背景が影響しているのではないか、そう感じています。 私が行政書士の資格で起業するときに、いろいろな調査をしました。どのくらい稼げるのか、実際のところ稼げる資格なのかどうか。やる気をそがれる情報も少なくなかったのです。 何も知らずにやる気をそがれる情報を見てしまうと、資格業に誇りが持てなくなってしまいます。「一定の収入を得ること」は、世の中ではひとつのステータスであることに間違いありません。 私は、資格業の仕事は価値ある仕事だと思っています。 主に法律の知識を使い、その人しかできない仕事をするわけです。多くの人は、試験のためにマジメに勉強し、その努力の結果、資格を取得したはずです。 資格業は、基本的に労働集約型であるというデメリットもありますが、逆の言い方をすれば、ひとつの仕事に時間がかかり、ミスも許されないような極めて価値のある仕事をしているともいえるのです。 資格業について後ろ向きな気持ちを持っている人は、それを改めてください。もっと自信を持ってください。資格業は価値ある仕事です。もっと稼いでいいのです。 ■クライアントが資格業を”先生”と呼ぶ真意 もう一度言いましょう。資格業はもっと稼いでいいのです。 資格業が世間的にも認められ、起業家としても認められるためにも、もっと稼ぐ必要があるのです。 私は行政書士で起業した当初から、ずっと違和感を覚えていました。資格業は基本的に“先生”と呼ばれる業種でもあります。しかし私も含め、本当に尊敬の意味での先生と呼ばれている人は極めて少ないような気がしたのです。 これはいったいどうしてだろうと常に思っていました。資格起業家としてビジネスモデルをつくったときに、その原因がわかったのです。 「資格業はクライアント(お客さま)より稼いでいない」ことが原因だったのです。 「拝金主義」を肯定するつもりはありませんが、収入は一種のステータスです。また自分に自信をもたらすものでもあります。本当に先生と呼ばれるには、クライアントより稼ぐ必要があるのではないか、と思ったのです。 年収が300万円にも満たない行政書士のところに、年商が億を超える建設業の社長が相談に訪れたとします。 「ねえ、先生、建設業の許可、もうちょっと安くできない?」 その行政書士が少しでも収入を得たいときは、なんとなく値下げをしてしまいます。 「先生、悪いね。安くしてもらっちゃって」 この場合の“先生”は、おそらく資格業としては多少認められていても、起業家としては認められていないでしょう。それはやはり、稼いでいないからにほかなりません。資格起業家として、クライアント以上に収益を上げている人が、「ねえ、先生、建設業の許可、もうちょっと安くできない?」と頼まれたら? 資格起業家のビジネスモデルによって、依頼を断っても十分にやっていける仕組みができていたとすると、古い知り合いならばともかく、別に無理をして受けなくてもビジネスは回るわけですから、断ることもできるのです。この状況まできてはじめて、クライアントとフェアな関係になれるのではないか、私はそう思っているのです。 ■資格起業家 私が生み出した資格起業家は、「資格で起業する人」ではなく、「資格を起点とした事業を行う起業家」を指します。ビジネスモデルとしては、簡単に言えば「資格業の仕事を獲得するためのビジネスを別に持つ」ということです。このモデルは、生成AIがインフラ化した今、実績がない人にも着手しやすく、資格職の間口を広げるものになるでしょう。 さらには、こうした「資格起業家」が増えることによって、資格業界も活性化し、より健全な競争社会になると考えています。その結果、資格業界がより注目され、脚光を浴びてマスコミやアパレルのような憧れられる人気業界になることが、私の密かな夢です。 資格起業家は、「貧乏資格業」ではなく「金持ち資格業」になるための、正しい努力の方向を定める一つの方法として、おすすめしています。目指す姿と一致しているという方には、ぜひこれをきっかけに一歩を踏み出してみていただけると嬉しいです。 横須賀輝尚 パワーコンテンツジャパン株式会社 代表取締役 特定行政書士 【関連記事】 ■「年契約が当たり前」は危険…顧問契約を取りこぼす士業に欠けた視点 (横須賀輝尚 経営コンサルタント) https://sharescafe.net/63187865-20260505.html ■独占業務のない資格起業家は成功できないのか (横須賀輝尚 経営コンサルタント) https://sharescafe.net/63170142-20260426.html ■資格業の落とし穴「労働集約・受注型」から脱し、安定収益を生む方法 (横須賀輝尚 経営コンサルタント) https://sharescafe.net/63153283-20260419.html ■110万円の家賃を払う板野友美さんとヤクルト高橋奎二さんの判断が正しい理由。(中嶋よしふみ ファイナンシャルプランナー) https://sharescafe.net/62674731-20250930.html ■世帯年収1560万円の共働き夫婦は、9540万円の湾岸タワーマンションを買えるのか? その1・生活費は800万?(中嶋よしふみ ファイナンシャルプランナー) https://sharescafe.net/61186482-20240125.html ■プロフィール 横須賀輝尚 パワーコンテンツジャパン株式会社 代表取締役 特定行政書士 ![]() 2007年に日本では初めてとなる士業向けに経営スクール「経営天才塾(現LEGALBACKS)」を創設し、2023年現在、全国3000名以上の士業から相談を受け、その相談数は優に2万件以上を超える。 主な著作に「会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業」(さくら舎)、「資格起業BIBLE」(技術評論社)などがあり、25冊20万部超の著者。2023年から士業のための生成AI・ChatGPT活用研究を開始。 最新刊「『ムダ仕事』も『悩む時間』もゼロにする GPTsライフハック」を2024年11月に技術評論社より刊行。週刊ダイヤモンド、毎日新聞などメディア掲載も多数。 公式サイト:https://yokosukateruhisa.com/ X:https://twitter.com/yokosuka_ai @yokosuka_ai YouTube:https://www.youtube.com/@40lawyers50/ シェアーズカフェ・オンラインからのお知らせ ■シェアーズカフェ・オンラインは2014年から国内最大のポータルサイト・Yahoo!ニュースに掲載記事を配信しています ■シェアーズカフェ・オンラインは士業・専門家の書き手を募集しています。 ■シェアーズカフェ・オンラインは士業・専門家向けに執筆指導を行っています。 ■シェアーズカフェ・オンラインを運営するシェアーズカフェは住宅・保険・投資・家計管理・年金など、個人向けの相談・レッスンを提供しています。編集長で「保険を売らないFP」の中嶋が対応します。 |



