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「AIに仕事を奪われる」。生成AIの台頭で、この危機感がすでに現実のものとなりつつある昨今。さらに、自ら考え自律的に行動するAIエージェントの登場により、税理士や社会保険労務士といったいわゆる「士業」の仕事は、どんどん代替されていく可能性が高まっています。

経営コンサルタントで士業(特定行政書士)としても20年以上のキャリアをもつ横須賀輝尚氏は、開業当初からWEBマーケティングを強みとして活動し、生成AIが登場するとすぐに業務に活用、研究を深めてきました。

生成AIの本質を理解したうえで、AIに淘汰されるのではなく、むしろそれを活用して生き残るために士業はどうすればいいのか?同氏の新著『生成AI時代に士業が生き残る技術』(TAC出版)より、一部抜粋・編集してお伝えします。

生成AI時代に士業が生き残る技術
横須賀輝尚
TAC出版
2026-06-30


■「ひとりAI事務所」がすでに運用されている
士業として独立開業する場合、またはそれを目指す場合、多くの方が個人事務所、小規模事務所をイメージするのではないでしょうか。これからの時代、こうした小規模・個人事務所のほうが立ち回りは楽になると私は分析しています。簡単に言えば、「身軽」な事務所だということです。

なぜなら、生成AIで今後さらに大きな変化があった場合、その変化に対応しなければなりませんが、業務を大量受注している事務所だと、日々の業務をこなすことが優先され、身軽な方向転換が難しいからです。事務所家賃や人件費なども重くのしかかるわけで、一気に業務がテクノロジーに代替されたとき、経営そのものが成り立たなくなる可能性が強いのです。

これに対して、個人・小規模事務所であれば、後述するこれから生き残るための戦略を取りやすく、属人的な能力を高めることにも注力できるため、身軽さが有利に働く可能性が強いと言えます。

別の言い方をすれば、「典型的な業務を大量受注している、ランニングコストが高い中規模以上の事務所」が、これからの時代、高いリスクを抱えているとも言えるでしょう。

もっとも、それなりの規模の事務所であれば、既存顧客も多く、紹介もある。加えて、多額の借り入れなどがあれば、金融機関も簡単に倒産させられないので、すぐに消えてしまうということはないと考えますが、不安を抱えたまま未来の経営に舵を切っていくという状況は否めないでしょう。

■「ひとりAI事務所」のはじめの一歩
2026年、SNS上で一部の士業界隈があるテーマでバズを起こしました。それは、ひとり事務所が、Claude Codeを通じて業務を自動化し、ひとりで何十社もの顧問先の業務を回しているという話題です。

Claude Codeとは、これまでの生成AIがブラウザ上でしか動かせなかったのに対し、パソコンのローカル上でも動くというAIエージェントツールです。まさに「寝ている間に作業が終わっている」ということで、話題になりました。

「完全自動化している業務で、報酬を取れるのか?」
「チェック、監修業務はどうするのか?」
「間違いに気づかなった場合にどう責任を取るのか?」

こうした課題はまだまだありますが、一定の業務はAIエージェントによって、本当に自動化する未来は、もう目前に迫っているのです。

ひとりAI事務所などの、持たざる者がゲームチェンジできる理由は以下の通りです。

(1)採用コスト、採用リスクを極限まで抑えることができる
(2)属人的だった作業が自動となり、ひとり事務所のキャパを超えることができる
(3)作業を圧縮することで、自分の属人的スキルを磨くことができる
(4)作業を圧縮することで、営業・集客の時間を生み出すことができる

しかし、ゲームチェンジャーになるには次のような心構えと行動が必要です。

(1)いち早く生成AI、AIエージェントの活用を取り入れる
(2)最新情報を常にアップデートし、より効果的なAI活用を知る
(3)新しいジャンルに取り組む勇気を持つ
(4)同業者からの批判、意見などに与しない

■業務最大化に大切な3つの心構え
時代がどんどん進んでいく中で、総合的に見ると士業の未来は単純に「明るい」とは言えません。とはいえ、私は士業を絶望させたくて本稿を書いているわけではないのです。では、どうしたらいいか?重要なのは3つです。

ひとつは、士業の業務で、生成AI時代でも残る業務を見極め、それをどう取り扱うか考え、実践すること。これは士業としては言うまでもない重要な課題です。

2つ目は、これからよりスタンダードなインフラとなる生成AIの本質をきちんと理解すること。単にプロンプト集を持っている、AIで画像やスライドをつくっている、という具体的な話だけではありません。

「士業にとって生成AIとは何か?」。これをしっかりと理解すること。

そして、3つ目は「士業とは何か?」を踏まえたうえで、生成AIとどのように共存していくのかを考え、実践していくこと。

なお、「生成AIを無視して、独自路線を行く」という路線を私は推奨しません。「生成AIなんかに何がわかる? 職人の経験と知識があってこそ士業だ」という意見も特に否定しません。

ただ、間違いなく言えるのは、「これから、ますます生成AIやテクノロジー、ロボットなどが当たり前の時代になる」ということです。それが3年後、5年後なのかはわかりません。しかし、生成AIやロボット、自動運転などはもう実装が始まっています。

その未来に、「生成AIに詳しい士業」とそうでない士業、どちらが選ばれるでしょうか。どう考えても、生成AIに詳しい士業がお客様から選ばれるはずです。ですから、生成AIという存在は避けて通れないと私は考えています。

ひとり士業を選ぶのか、少数精鋭の事務所を切り盛りしたいのか、人によってビジョンが異なるのは当然ですが、与えられた条件の中で最高のパフォーマンスを出したいという気持ちは共通しているのではないでしょうか。

そうであれば、「AIに仕事を奪われる士業」ではなく、「AIで伸びる士業」として、この先の生成AI時代にもお客さまに価値を提供していきたいものです。


横須賀輝尚 士業専門の経営コンサルタント・パワーコンテンツジャパン株式会社 代表取締役・特定行政書士・Gensparkインダストリーアンバサダー


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■プロフィール 横須賀輝尚 士業専門の経営コンサルタント・パワーコンテンツジャパン株式会社 代表取締役・特定行政書士・Gensparkインダストリーアンバサダー
yokosuka
2007年に日本では初めてとなる士業向けに経営スクール「経営天才塾(現LEGALBACKS)」を創設し、2023年現在、全国3000名以上の士業から相談を受け、その相談数は優に2万件以上を超える。
主な著作に「会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業」(さくら舎)、「資格起業BIBLE」、「『ムダ仕事』も『悩む時間』もゼロにする GPTsライフハック」(共に技術評論社)などがあり、26冊20万部超の著者。2023年から士業のための生成AI・ChatGPT活用研究を開始。
最新刊「生成AI時代に士業が生き残る技術」を2026年6月にTAC出版より刊行。週刊ダイヤモンド、毎日新聞などメディア掲載も多数。

公式サイト:https://yokosukateruhisa.com/
X:https://twitter.com/yokosuka_ai  @yokosuka_ai
YouTube:https://www.youtube.com/@40lawyers50/


生成AI時代に士業が生き残る技術
横須賀輝尚
TAC出版
2026-06-30


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