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「大きな目標達成には時間がかかる」。これは本来、至極当たり前のことでしょう。しかし、楽にできるノウハウやタイパ重視の考え方が蔓延する現代において、つい忘れられがちな事実でもあります。

時短コンサルタントの滝川徹氏は、この事実を前提とした上で、充実した人生を送るには、身につけるべきスキルを見極め、しっかりと時間をかけて習得する必要があると説きます。一方、そこに時間と努力を「オールイン」するのではなく、たった1日30分を続けることで、人生のバランスを取りながら、無理なく地道にスキル習得を続けられるといいます。この超現実的な目標達成法、「10年思考」とは?

スキルに時間を投資するために、具体的にどうやって予定・計画し、実行していくか。この記事では、それをイメージできるよう、滝川氏が実際に過ごした青年期のライフスタイルと、今ならそれをどう変えるかについて、『10年思考でうまくいく――自己投資を実現するスキル戦略』(滝川徹・パンローリング株式会社)から再編集してお届けします。



■青年期(働きはじめてから40代前半くらいまで)の戦術基準
ブログをはじめる前、娘が小さい頃の私の1日の過ごし方は図1上のようなイメージだった。
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(図1:青年期の過ごし方(上:実際、下、理想))

見てわかる通り、仕事中心の生活だ。家に帰ると幼い娘が「パパ遊ぼ〜」と駆け寄ってくる。風呂に入り食事をとり、その後は娘と過ごす。23時過ぎに娘と一緒に寝る。そんな毎日だった。

月数回程度は同僚や取引先と飲みに行った。週末もたまにテニスに行ったり、友人と遊んだりしたが、基本的には家族と過ごしていた。独身のときは仕事以外の時間は全て自分のための時間だったが、結婚して子供ができてからは、基本的には家族との時間となり、自分のための時間は激減。必然的に、読書や勉強する時間も減ることになった。

そんな青年期を、今の私ならどう過ごすか。私はその後ブログをはじめ、残業ゼロに変わり、劇的にライフスタイルを変えた。このときの過ごし方とほぼ同じ、というのが答えになる。図1下のイメージだ。

見てわかる通り、仕事の時間を大幅に減らし、ブログを書く時間や家族と過ごす時間を増やしている。以前は始業前と昼休みの時間も仕事をしていたが、これをブログを書く時間にした。

さらりと書いたが、この決断は簡単ではなかった。ブログを書く時間を捻出しようとしても、肝心の時間がとれない。多くの人はここで睡眠時間を削るだろうが、そうすると仕事のパフォーマンスに影響する。その選択肢はなかった。

一方で、家族との時間を減らすのも本末転倒だ。さんざん悩んだ末、働く時間を減らすしかないという結論に至った。ちょうど働く時間を減らさないといけないと感じていた時期でもあった。ここら辺のことは私の別の著書に記してあるが、始業前に仕事をしていた時間を、会社近くのマクドナルドでブログを書く時間に切り替えた。

もちろん最初の1〜2週間は不安だった。仕事が回らなくなったらどうしようとビクビクしていたが、そのときはまた残業してカバーすればいい。そう考え、そのまま続けた。

驚いたのは、仕事に全く支障が出なかったことだ。始業前の時間とはいえ、1日1時間以上働く時間を減らしたので、1カ月に20日間働くとして、月20時間以上も働く時間が減っていたことになる。にもかかわらず、仕事が終わらないなどの支障は全く起きなかった。

こうした経験を踏まえ、その後、私は残業ゼロに働き方を変えることに成功する。昼休みもブログを書くなど自分の時間として使うようになった。

私ほど大胆にやる必要はないが、青年期以降で最も大切なことは、働く時間を減らすことだ。とは言っても、通常のワークタイムを減らそうということではない。通常業務の時間外で、仕事に費やす時間を減らそうということだ。

スキルに投資する時間を捻出しようとするとき、私と同様、多くの人は時間がないはずだ。時間は増殖しない。何か新しいことをはじめるなら、何かをやめる必要がある。多くの人は睡眠時間を削りがちだが、これはやめたほうがよい。睡眠時間が減ると仕事のパフォーマンスが落ちるし、一日の質・幸福度も劇的に低下する。健康に良くないことも科学的に証明されている。睡眠時間を削ることは長期的に見れば、確実にマイナスだ。

では、そのほかに減らせそうな時間はあるか。もし毎日SNSや動画などを見ているなら、そうした時間を減らすのが最優先。それをスキル投資の時間に変えることができればベストだと考えるかもしれない。

たしかにSNSなどに1日数時間もかけているようなら、その時間を減らして、その分スキルにまわすといいだろう。だが、この記事の読者の多くは、SNSや動画にあてているのはせいぜい1時間程度ではないだろうか。

私たちは機械ではない。ある程度はリラックスする時間が必要だ。それすらなくしてしまえば、ストレスが余計に溜まり、幸福度が下がるなど、何かしらの反動が起こるだろう。これは避けたい。家族との時間を減らすのも、本末転倒だ。

こうして考えていくと、最も合理的な選択肢は仕事を減らすことになる。大丈夫だ。死ぬときに「もっと家族と過ごせばよかった」「やりたいことをやればよかった」。そう思うという話はあっても、「もっと働けばよかった」という声は聞いたことがない。

働く時間を減らしても、意外となんとかなるものだ。

「パーキンソンの法則」といって、仕事は割りあてる時間に合わせて膨張する、という考え方がある。この考えは、会議をイメージすると理解しやすい。同じ議題の会議でも、会議の時間を1時間に設定すれば1時間かかる。30分に設定すれば、大抵は30分で終わる。人は無意識に、与えられた時間で仕事を終わらせようとするからだ。1時間あれば雑談をしながら余裕を持って会議は進められるが、30分しかなければ無駄話はせず、全員が時間内に結論を出すように努力することになる。

このように、仕事は与えられた時間に合わせて膨張するのだ。

働く時間を減らしたいなら、少しずつ働く時間を減らしていくこと。まずは毎日30分、ムリなら15分でもいい。いつもより早く帰ることをこころがけよう。2週間ほど続けて問題なければ、さらに働く時間を減らしてみる。そうやって、段階的に働く時間を減らしていく。そうすると、働く時間を減らしても、仕事に大した影響がないことに気がつくはずだ。

残業ゼロに変わって嬉しかったことは、自由時間が増えたことで、運動する習慣を取り戻せたことだ。18時に家に帰り、ほぼ毎日走るようになった。運動の時間を定期的に確保することも、青年期以降は重要だ。

運動は睡眠を除けば、健康維持に最も重要なこととされている。定期的に運動をしなければ生活習慣病をはじめ、病気になるリスクが高まる。筋肉が衰えて思うように身体が動かなくなれば、人生の質・幸福度も低下する。脳の認知機能の維持にも効果的とされているので、長く健康に働くという観点でも、定期的に運動することはとても大切なのだ。

睡眠時間の確保もまた、どのステージに共通して重要だ。少なくとも7時間、できれば8時間は毎日寝るようにしたい。

とはいえ私もそうだったが、小さい子供がいると、これは難しかったりする。子供を寝かしつける必要があったり、寝る時間を子供に合わせる必要があるからだ。

先のタイムスケジュールで就寝時間が23時30分になっているのも、それが理由だ。当時の私は子供と一緒に寝ていたので、日によって前後はするが、どうしても23時過ぎに寝ることになった。もし子供が早く寝るようであれば、22時など、もっと早い時間に寝ただろう。

そうできるかどうかは環境次第だが、可能なら7時間、できれば8時間寝るように就寝時間を調整することをオススメしたい。


滝川徹 時短コンサルタント


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【プロフィール 滝川徹 時短コンサルタント】
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1982年東京生まれ。慶應義塾大学卒。国内トップの大手金融機関で毎日定時に帰る現役会社員。著書『ちょっとしたスキルがお金に変わる「副業講師」で月10万円無理なく稼ぐ方法』(日本実業出版社)、『気持ちが楽になる働き方』(金風舎)のほか、『細分化して片付ける30分仕事術』(パンローリング)は台湾で翻訳出版された。
長時間労働に悩んだことをきっかけに独学でタスク管理を習得。2014年に自身が所属する組織の残業を削減した取り組みで全国表彰、2016年には「残業ゼロ」の働き方を達成。その後は順天堂大学や創業手帳株式会社での講演・研修をはじめ、時間管理をテーマに講師として活動。国内最大級のスキルシェアプラットフォーム「ストアカ」の上位2%のトップ講師に選出される。Yahoo! ニュースへの執筆や、YouTubeで動画配信など幅広く活動中。




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