![]() 時短コンサルタントの滝川徹氏は、この事実を前提とした上で、充実した人生を送るには、身につけるべきスキルを見極め、しっかりと時間をかけて習得する必要があると説きます。一方、そこに時間と努力を「オールイン」するのではなく、たった1日30分を続けることで、人生のバランスを取りながら、無理なく地道にスキル習得を続けられるといいます。この超現実的な目標達成法、「10年思考」とは? スキルに時間を投資するために、具体的にどうやって予定・計画し、実行していくか。この記事では、それをイメージできるよう、滝川氏が実際に過ごした学生期のライフスタイルと、今ならそれをどう変えるかについて、『10年思考でうまくいく――自己投資を実現するスキル戦略』(滝川徹・パンローリング株式会社)から再編集してお届けします。 ■学生期(生まれてから働くまでの期間)の戦術基準 私の学生期の1日の過ごし方は、日にもよるが図1上のようなイメージだった。 ![]() 大学で体育会運動部という少々レアケースかもしれないので、練習の時間をバイトの時間などに置きかえて柔軟に想像してみてほしい。 部活は週6日、1日4時間の義務練習があった。授業があれば途中で抜けてかまわないが、午前に2時間、昼休みの2時間を挟んで、午後に2時間の練習が課された。その後、通常は1〜2時間の自主練。家に帰った後も、よくプロの試合の動画を見ては研究していた。 授業は必修やゼミなど、履修必須のものだけ参加していたので文字通りテニス漬けの毎日だ。月数回、練習後に高校時代の友人と麻雀をしていた記憶はある。 つらかったのが、実家からテニスコートまで、片道2時間かかることだった。大抵は睡眠不足と疲労で寝ていたが、学生時代の私は膨大な時間を電車の中で費やした。 そんな学生生活を、今の私ならどう過ごすか。体育会と実家暮らしの前提を変えないなら、先ほどの図1の下のように過ごすだろう。ポイントを説明しよう。 まずは、睡眠時間の確保だ。昔の私の睡眠時間は毎日6時間前後で、明らかに睡眠不足だった。その結果、電車の時間はもちろん、授業中や図書館でも、少しでも時間があれば寝ていた。日中眠くて仕方がなかったからだ。今の私は毎日8時間寝ているからわかるが、きちんと寝ていれば、基本的に日中眠くはならない。そうなれば、電車の時間や日中の時間をもっと有効活用できる。移動時間は本を読んだり、スキルを身につける時間にあてることもできる。常に眠いという状態から解放され、人生の質も格段にアップする。 では睡眠時間を確保するためにどうするか。夜の自由時間を減らして早く寝ることにする。上図と比べて下図は自由時間を2時間減らして、21時に就寝している。自由時間が減るのはたしかにつらい。だが時間は増殖しない。睡眠時間を増やしたいなら、こうするしかない。今の私もそうだが、睡眠を最優先にライフスタイルを構築する。 そのほかにも、5時30分から30分間、スキルに投資する時間を確保している。学生の時点では、自分が何をやりたいか、どんなスキルを身につけたいか。わからない人も多い。その場合は、自分が興味があることを探求することに時間を使えばOKだ。学生期は、役に立つかという観点なしに、ピュアな気持ちで好きなことや興味があることに取り組める時期なのだから。 読書でもなんでもいい。それを続けていけば、自ずとやるべきことが明確になっていく。 若くして成功する人は、大抵はほかの人より早く自分が何をすべきかを見つけている。何かで一流になるために20年かかるとして、20歳からはじめれば40歳で花開くが、40歳からだと60歳になる。 20歳でスキルを磨きはじめた人は、単純に40歳の人より20年アドバンテージが生まれる。このことからも、自分が何をやりたいか、どのスキルを身につけるか。早く見つけるほうが有利なことがわかる。たった30分でも、学生時代からこうした時間を確保することは間違いなく重要だ。 とはいえ、忙しい中こうした時間を確保するのは簡単ではない。そこで朝一番の5時30分から、これを行う。朝一番の時間帯なら、友人から連絡がきて誘惑にかられることもない。それだけでなく、意志力も豊富にあり、先送りもしにくいからだ。だからこそ確実にやりたいこと、この場合はスキルに投資する時間は、朝イチに確保するというわけだ。 学生時代の過ごし方を変えるとしたら、こんなところだろう。 ここから先は、実行計画を作るポイントを解説していく。 ■実行計画のポイント 実行において最も大切なことは「予定すること」だ。少なくとも慣れるまでは、1日の過ごし方を、先に示した図1のように書き出すことを提案したい。難しく考える必要はない。前日の夜に紙や手帳に、翌日の過ごし方を計画して書く。それだけだ。具体的な手順は、次のようになる。 ステップ(1)翌日の起床時間と予定を書き出す ステップ(2)移動時間や生活に使う時間を書く ステップ(3)残った自由時間をどう過ごすかを書く 順に説明していこう。 まず最初に、翌日起きる時間を決め、予定とその時間を書き出す。図2左のようなイメージだ。 ![]() 6時起床、授業(12時〜13時30分)とバイト(17〜19時)の予定を書き出している。ここまでがステップ(1)。 次のステップ(2)では、移動時間と生活に使う時間を追記する。それが図2右のイメージだ。自宅と学校とバイト先への、それぞれ移動時間を1時間として反映した。そのほかに、起床後の洗顔や髭を剃る支度の時間や、風呂や食事の時間も反映している。 ここでの目的は、ステップ(1)で書いた予定とは別に、あらかじめ予定されている時間を見える化することにある。残された時間が、必然的に自由に使える時間になるからだ。どういうことか、ステップ(3)とともに説明する。 ステップ(1)・(2)を終えると、残された時間が自由に使える時間として明確になる。空白部分が、それにあたる。 寝る時間を23時とすれば、朝起きてから寝るまでの時間のうち、予定・移動・生活に必要な時間を除いた時間が〔自由に使える時間〕だ。この時間をどう使うか考えるのが、ステップ(3)となる。 イメージは、図3の通りだ。図2の空白時間を埋めた結果が、太枠で囲んだ時間帯だ。 ![]() 自由時間をどう使うかは自分次第だが、スキルに投資する時間をはじめ、重要なことは朝の時間帯に取り組むのがよい。朝は意志力(脳のエネルギー)が豊富にある状態だからだ。 同じ自由時間でも、7〜11時と、21〜23時では取り組める確率が格段に異なる。想像してみればわかると思うが、21時は疲れきっていて、勉強しようなどとは思えないはずだ。なので、21時以降は好きなことを楽しむ時間にして、割りきって楽しんでしまったほうがよい。 そのほかにコツがあるとしたら、あまり予定を詰めすぎないことだ。図3の例で言えば、朝の10〜11時はあえて〔自由時間〕としている。ここを勉強する時間としてもよいが、次の移動まで1時間しかないし、私たちは機械ではないので、日中リラックスする時間も必要だ。なので、あえてこの時間は自由時間にしている。 このように、1日の予定を書き出すときは現実的な計画を立てることが重要だ。繰り返すが、私たちは機械ではない。予定を詰めすぎると、大抵はうまくいかなくなる。人間、ムリをすると続かない。勉強しようと思っても着手できず、ダラダラとSNSを見たりしてしまうなら、ムリをしている可能性が高い。 大切なのは1日の瞬間風速ではなく、10年など、長い期間にわたり努力を地道に続けていくことだ。毎日ムリなく続けられるペースを意識して計画を練ろう。 滝川徹 時短コンサルタント 【関連記事】 ■時間管理の著者が、忙しくても睡眠時間とダラダラ時間を削らない理由 (滝川徹 時短コンサルタント) https://sharescafe.net/63504941-20260925.html ■子と過ごせる時間が残りわずかな中年期、家族時間を削らずスキルアップするには? (滝川徹 時短コンサルタント) https://sharescafe.net/63502707-20260924.html ■1日30分で完遂。何年も放置したタスクが動き出すプロジェクト管理術 (滝川徹 時短コンサルタント) https://sharescafe.net/63444378-20260828.html ■110万円の家賃を払う板野友美さんとヤクルト高橋奎二さんの判断が正しい理由。(中嶋よしふみ ファイナンシャルプランナー) https://sharescafe.net/62674731-20250930.html ■世帯年収1560万円の共働き夫婦は、9540万円の湾岸タワーマンションを買えるのか? その1・生活費は800万? (中嶋よしふみ ファイナンシャルプランナー) https://sharescafe.net/61186482-20240125.html 【プロフィール 滝川徹 時短コンサルタント】 1982年東京生まれ。慶應義塾大学卒。国内トップの大手金融機関で毎日定時に帰る現役会社員。著書『ちょっとしたスキルがお金に変わる「副業講師」で月10万円無理なく稼ぐ方法』(日本実業出版社)、『気持ちが楽になる働き方』(金風舎)のほか、『細分化して片付ける30分仕事術』(パンローリング)は台湾で翻訳出版された。 長時間労働に悩んだことをきっかけに独学でタスク管理を習得。2014年に自身が所属する組織の残業を削減した取り組みで全国表彰、2016年には「残業ゼロ」の働き方を達成。その後は順天堂大学や創業手帳株式会社での講演・研修をはじめ、時間管理をテーマに講師として活動。国内最大級のスキルシェアプラットフォーム「ストアカ」の上位2%のトップ講師に選出される。Yahoo! ニュースへの執筆や、YouTubeで動画配信など幅広く活動中。 シェアーズカフェ・オンラインからのお知らせ ■シェアーズカフェ・オンラインは2014年から国内最大のポータルサイト・Yahoo!ニュースに掲載記事を配信しています ■シェアーズカフェ・オンラインは士業・専門家の書き手を募集しています。 ■シェアーズカフェ・オンラインは士業・専門家向けに執筆指導を行っています。 ■シェアーズカフェ・オンラインを運営するシェアーズカフェは住宅・保険・投資・家計管理・年金など、個人向けの相談・レッスンを提供しています。編集長で「保険を売らないFP」の中嶋が対応します。 |






